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お口と身体の関係について 金属アレルギーとお口の関係について パート②

金属アレルギーは金属そのものが直接アレルギーをおこすものではなく、金属から溶出した金属イオンが人体のタンパク質と結合してアレルゲン(原因物質)となるタンパクに変わることによっておこります。調べるための検査はパッチテストが有名ですが、他にパッチテストで陽性のものがお口にあるかどうかを調べる金属成分分析検査、口腔内への溶出程度を調べる口腔内金属の電気化学的腐食傾向検査、血液検査などがあります。その中でパッチテストはかぶれやすい17種類ほどの金属を溶かした試薬が使われます。試薬を背中に貼り付けてしばらく皮膚の状態を経過観察します。これでアレルギーがあるかどうかを判定します。この問題点は①検査期間中2日から7日間は入浴は控えなければならない。ただし検査部位が濡れない状態ならば洗髪や下半身のシャワーは可能。②スポーツなどで汗はかくことはできない。③暑い時は検査自体が難しい。④陰性と判定されてもアレルゲンの場合もある。などです。歯科用金属でアレルギーを起こす確率はかなり低いものと思われますが、なかなか治らない皮膚炎や掌蹠膿疱症などがあったら疑ってみることもできるでしょう。もし歯科用金属が原因であれば口腔内から原因金属を撤去せねばなりません。代用の合成樹脂やセラミックを入れることになりますが、保険が適用されない材料もありますので、主治医とよくご相談してください。

お口と身体の関係について 金属アレルギーとお口の関係について PART①

以前皮膚科に受診されて、金属アレルギーと診断された患者さんで、もしかしたらお口の中に入っている金属が原因でなかなか治らない皮膚の症状が出ているのでは?という疑いが強い患者さんが来院されました。その患者さんは手足など全身に発疹ができて長年消えず困っていたとのことでした。皮膚科でパッチテストをして陽性の金属が判明しました。装飾物や日常手に触れる身の回りの物や食べ物から可能性のある物を排していました。しかしほとんど変化はない状態でした。そこで皮膚科の先生と相談して最後にお口の中に入っている古い金属ではないかというところに落ち着いたそうです。実際お口の中には20年以上前に装着された古い錆びた金属が7本ほど入っていました。徐々に金属を外して合成樹脂に入れ替えを行いました。最後の1本を入れ替えをするときにはかなり皮膚の症状はなくなりつつありました。7本目を入れ替えてから2週間後には症状は消失していました。やはり歯科で使用される金属が原因のアレルギーだったようです。歯科治療には以前から金属が使われていますが、保険診療、自費診療に限らずその患者さんにとってアレルギーをもたらさないものが良いのですが、多くのケースでチタンや金などはアレルゲンになりにくいとされています。ただまれにチタンや金でもなりえます。安全なのは金属でないセラミックスや合成樹脂ですが、価格の問題と全てのケースには適応ではない(力学的に)という問題で課題が多いと思われます。

お口と身体の関係  骨粗しょう症とお口の関係

 骨粗しょう症とは呼んで字のごとし、身体の骨が粗になるいわゆる骨密度が小さくなる病気です。骨密度は20歳前後でピークに達し40歳代までほぼ一定ですが、50歳ごろから低下しはじめます。閉経期を迎えて女性ホルモンの分泌が低下すると急激に骨密度が減り同年代の男性に比べると密度の低下が顕著になります。ですから患者の8割以上は女性であると言われています。骨粗しょう症が原因で骨折し、要介護状態になる場合もあり、注意が必要です。この病気と診断された場合、骨折リスク大で積極的な治療が必要とされたケースではビスフォスフォネート剤などが投与されます。また骨折低リスクのケースでは活性型ビタミンD3やビタミンKが投与されます。歯科で問題になるのはビスフォスフォネート剤の副作用で外科的な処置、例えば抜歯や歯周外科処置、インプラント埋入などで顎骨の壊死や骨髄炎が起きるケースがまれにあります。あるデータでは注射では0.88~1.55%、経口薬では0.01~0.04%であるようです。ですから患者さんもビスフォスフォネート剤を投与されたときは歯科医にその旨を説明したほうがいいです。また、投与を受ける前にかかりつけの歯科医に相談して検査を受けて抜歯などの外科的な処置が必要と診断した場合は出来るだけ薬剤投与前に処置を済ますほうが良いと思われます。やむを得ない場合は内科の主治医とよく相談したうえで薬剤投与中止も考慮します。ちなみに具体的な商品名を挙げておきます。リカルボン、ボノテオ、ベネット、アクトネル、ボナロン、フォッサマック、アレンドロン酸錠、ダイドロネルなどです。参考にしてください。

お口と身体の関係について 薬の副作用と歯肉増殖症

ご高齢の方が基礎疾患の薬を服用するケースが増えてきています。その中で薬の副作用と考えられる症状がお口の中にも表れるときがあります。多くの症状は口渇であります。これは副作用として唾液分泌の減少によるものです。また、抗けいれん薬や高血圧、狭心症の治療薬や免疫抑制剤などは歯肉増殖症に強く関与していると言われています。患者さんにおいては問診時にそのような疑いがわかる場合があります。特に前歯部唇側に多くみられ歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭部)が球状、結節状に肥厚するものです。主に審美的に著しい障害があり発音が不十分になったり口臭をおこす場合もあります。これらの薬を服用した患者さん全てが症状を伴うのではなく薬の種類と清掃状態や遺伝的な要素、年齢も加味される。主な薬剤として①抗けいれん薬 フェニトイン(商品名アレビアチン、ヒダントール)で、発症頻度は50%と高い。②狭心症や高血圧治療薬として使われるカルシウム拮抗薬 ジルチアゼム(商品名ヘルベッサー) ニフェジピン(商品名アダラート)などは10~20%の発症率です。③免疫抑制剤 シクロスポリンは成人では25~30%、子供では70%以上です。治療法はまず原因薬物の変更。できなければ、その発症機序が薬理作用のみでなく口腔衛生状態の関与が大きいとされているので、徹底的な歯周治療を行います。なかなか消退しない場合は外科的に歯肉肥厚を切除することもあります。また、継続的なメインテナンスにより発症を抑えることが可能というデータもあります。

くりのみ保育園秋の歯科健診を終えて 虫歯予防について提言⑤

また、砂糖の量だけではなく、とり方の工夫もしないといけません。同じ糖分でもお口の中にいつまでも残っているものは虫歯になりやすいといえます。逆にすぐ溶けてお口から消えてしまうものは虫歯になりにくいといえます。例えば、飴、キャラメル、キャンディー、ウエハース、コーンスナックなどはお口の中に長く留まり、しかも歯にくっつきやすいものです。同じ糖分でも短時間で食べられるもの、例えばアイスクリーム、ゼリー、プリンなどはお口に残らず比較的虫歯になりにくいといえます。天然のフルーツ類(リンゴ、バナナ、みかん)干し芋などはさらになりにくいのですが。また、食べ物だけではなく、飲み物にも注意が必要です。ジュース類や炭酸飲料類には平均で10%の糖分が含まれています。意外と知られていないのはスポーツドリンクで6~7%の糖分が含まれています。スポーツドリンクはマスコミなどの影響もあって身体に良いものというイメージが定着しつつありますが、あくまでも運動後や体力消耗時の水分、ミネラル補給として使うもので、水代わりに常飲するものではありません。虫歯にもなりやすくまた、肥満、糖尿病のもとにもなりかねません。要点は必要な時に必要な分を飲ませればいいと思います。今回は虫歯の成り立ちの砂糖に焦点を当ててレポートいたしました。ぜひ大切なお子様のお口を守るために、ご両親から必要な知識を身につけてご活用になってください。

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